まゆりん気まま日記

医療ネタ中心ですが、日々思うことや心のアンテナに引っかかったことなど、 気ままに綴っています。

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軍歌が好きだった。

子供を手に抱き、背負い、左右に揺すりながら子守唄を口ずさむ。なかなか寝付いてくれず子守唄もネタが切れると、なぜかいつも出てくる歌は軍歌だった。

父は、高等小学校を卒業したら霞ヶ浦の予科練に入り、お国のために戦うつもりだったという。けれど、父が予科練に入る年齢に達する前に8月15日日本は戦争に負けた。

まだ幼かった母は、空に見たこともない大きな大きなきのこ雲が対岸の長崎の空に上がるのを見て「大きなのこだ」とはしゃいでいたという。その雲の下でどのようなことが起こったかを知ったのはずっと後のことだったという。母は、長姉が夫の出生を見送る万歳の嵐の中、ひとり家の中で泣いていたことを不思議に思う幼子だった。

父は、孫を寝かしつけるのが上手な人だった。5人の孫たちは、どの子も祖父の腕にすっぽりと、いやいや、身動き取れないほどぎゅうっと抱きしめられながら身体を左右に揺すられ、祖父が朗々と歌う軍歌を聴きながら眠りについた。

私も妹もそうやって父の腕の中で何度も何度も軍歌を聴いて眠りについたのだろう。

それでも、父の歌う軍歌はいつもどこか哀しい歌だった。勇ましい歌詞で始まる歌の中に人としての哀しみや故郷を想う言葉がある。

予科練に行かれぬまま終戦を迎えた父は、その後の人生をどこか「おまけ」と考えていた。自然のままに生きて死ぬ、父の死生観の元となったのは、この「おまけの人生」への申し訳なさと、戦争を生き延びた幸運に対する恩返しだったように私は思っている。

だから、父は人生に多くを望まずつつましい願いだけを大事に生きていた。欲張らず、人を批判せず、今を大事に生きていた。「俺たちは、金はないけど精神的ブルジョアだ」と友人に言われた言葉をたいそう気に入っていた。

自分に死の日が来たなら、「おれは幸せだった、みんな、ありがとう」そう言って死ぬんだと父は言った。がんを告知せず、最後は肝性昏睡だった父の最期の別れの言葉は聞くことができなかったけれど、父にとっての戦争がその後の人生観、死生観を決めたのだと、私は思っている。


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コメント

軍歌
軍歌が好きだったというまゆりんのお父さんは、何年のお生まれでしょうか。予科練に志願できる年齢に達する前の終戦というと、私と大差なさそうですが。私は中一で終戦でした。もう数年早く生まれていたら、予科練を志願したかも。
軍歌、私も好きでした。今でも好きです。いまNHKで憲法9条の討論をやっていますが、もちろん戦争ほど悲惨なものはありません。断固反戦です。でも、攻められたら迎え撃つしかありません。戦前、戦中、戦後の教育を受けた私たちの年代は、中途半端だといわれます。でも、戦中の教育が一番人格形成に影響したのは否めません。
軍歌で娘や孫を寝付かせたという一文を読んで、亡きお父さまに親しみを覚えコメントさせて貰いました。
2007/08/15 22:05URL  マーモット #-[ 編集]

マーモットさんへ
父は昭和6年生まれでした。

昨夜のNHKは、途中から見てました。

誰もが平和は素晴らしいと思っているのに、なぜ人は戦うのでしょうね。領土を奪い合うだけでなく、宗教戦争、民族戦争、さまざまにその人たちなりの「正義」があるのかもしれない。

ほんとうに武力でその正義を守るしか方法はないのか。永遠に続くものなどひとつもないのに・・・。

父が軍歌を好んだのは、ただその哀愁を帯びたメロディが好みだったかもしれないし、「天皇陛下のために、お国のために」という教育を受けてそれを「正義」と信じた子供時代があったからかもしれません。

でも、私には自分の場所で静かにつつましく家族と共に暮らす小さな幸せが父にとってどこか後ろめたく戦場に駆り出され亡くなっていったたくさんの人たちへの鎮魂歌だったように思います。
2007/08/16 07:37URL  管理人 #-[ 編集]

軍歌考
そうですか、私より1つ先輩ですね。私やお父様の年代では、同僚とか同期が戦死したということは、先ずないと思いますので(終戦になってよかった)、その点戦友を亡くした人たちの思いとは少し違いましょう。ただ、軍歌というのは即戦時中に結びついているのです。戦後(戦前も)の流行歌を唄うのとは
ちょっと違うのです。ですから、アイドル歌手が軍歌を唄うととてもいやでした。「お前らが唄う歌ではない」という思いです。こんな感情、おかしいでしょうか?お父様ならわかっていただけるとおもいますが・・・・
2007/08/16 21:19URL  マーモット #-[ 編集]


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